Excelで従業員名簿や顧客リスト、営業先一覧など自分が使いたい一覧表を作ることが多いかと思いかと思います。
そのまま使ってももちろん問題ないのですが、テーブル化(Excelのテーブル機能)するととても便利です。
Excelのテーブル機能には、対象の列に計算式を入れてけば、新しいレコードを追加(テーブルの一番最後に新しいデータを追加)するだけで計算式が反映され、自動でテーブルの範囲が拡張されます。そのため、関数やVBAの扱いが容易になります。
エクセル関数などの範囲を指定する場合、通常であればA1:A5などアドレスを指定しますが、テーブルであれば、テーブル名[列名]といった形で指定できるため、データが増えても範囲を変更する必要がありません。
この記事では、何もないところからテーブルを作るまでの方法についてご紹介します。
テーブルを作るために新しいシートを準備する
何もないところからテーブルを作成するため、まずは事前準備としてテーブルを作るためのシートを準備しましょう。
- Step1Excelを起動
①現在使っているExcelを起動します。
- Step2シート名を変更
①シートの名前部分をダブルクリックします。
②シート名を変更します。
※シート名に限りませんが、名前はわかりやすくかつできるだけ短い名前にするのがおすすめです。 - Step3名前を付けて保存
①ファイル>名前を付けて保存>参照の順に選択します。
※Officeのバージョンによって若干異なります。②保存場所を選択し、ファイル名を変更し保存を選択します。
※今後、VBA(マクロ)を使いたい場合は、ファイルの種類を(*.xlsx → *.xlsm)に変更します。 - Step4完了
テーブルの項目を入力する
まずは、テーブルの項目を決め入力します。事前に項目や順番を決めておく方がいいですが、後から変更も可能です。
今回はどこの会社でも使われそうな職員名簿を作って解説します。
項目を洗い出す
職員名簿に必要な項目を全て洗い出します。後から追加は可能ですが、必要になりそうな項目はできるだけ先に作成しておきます。
例えば以下のような感じです。
- 職員氏名
- 住所
- 連絡先
- 生年月日
- 入社日
項目をできるだけ分解する
それぞれの項目をできるだけ小さく分解します。
分解とは以下のようなイメージです。
例えば職員氏名が「山田 太郎」の場合、 性:山田 名:太郎 セイ:ヤマダ メイ:タロウ 職員氏名:山田 太郎 フリガナ:ヤマダ タロウ といった項目に分解します。
フリガナは、絶対にあったほうがいいです。あいうえお順に並べたいときなど、漢字では順番に並んでくれないので、あると非常に便利です。
「名字と名前は、半角スペース等で区切れば性と名が判断できるから1項目でいいんじゃないの?」と思われるかもしれません。おっしゃる通り入力者が全て同じ人であれば問題ありませんが、複数の人で利用すると必ずと言っていいほど同じように入力してくれません。半角スペースで入力するルールを作っていても、全角スペースになったり、区切られなかったりというケースが出てきますので、分けたほうが無難です。
住所も、郵便番号、住所、建物などに分解しておくと年賀状を作るときなどにもデータが使いやすくなります。
あると便利な項目を入れる
小さな会社であれば、同じ会社に同姓同名の職員が在籍することはごく稀ですが、重複すると困りますので、「No」といった形の社員番号もしくは通し番号の項目も入れましょう。
また、先のことを考え、入社日だけでなく退職日の項目も設定しておきましょう。退職した職員が常に表示されると使いにくいです。退職日の項目を入れておけば、退職日に日付が入力されている場合は表示しないといった形で使うことができます。休職中といったケースも考えると、表示する、表示しないといった項目を作成したほうがいいかもしれませんが、今回は、退職日の項目を使いたいと思います。
今回は、以下のような16項目で進めたいと思います。
- No
- 性
- 名
- せい
- めい
- 生年月日
- 郵便番号
- 住所
- 建物
- 電話番号
- メールアドレス
- 入社日
- 退職日
- 職員氏名
- ふりがな
- 年齢
レコード(データ)を入力する
次は、項目の下(3行目)にデータを入力します。
B列~M列にデータを入力、N列は退職日なので空欄にします。
O列~Q列は、数式(計算式)を入れて表示するようにします。
▼データ入力後
レコードに数式を入れる
職員氏名は、性と名を結合して表示するようにします。
職員氏名の下のセル(O3のセル)に、以下の数式を入力します。
上はそのまま結合、半角スペースを入れたい場合は、下のようになります。
=C3&D3 → 「山田太郎」 =C3&" "&D3 → 「山田 太郎」
基本的には見え方が違うだけなので自分の好みでスペースの有無を決めてよいかと思います。ふりがなも同様に結合して表示します。
年齢は、DATEDIF関数を使って表示します。数式は以下の通りです。
=DATEDIF(G3,TODAY(),"Y")
DATEDIF関数の使い方については、近いうちに別の記事で紹介したいと思います。
▼数式入力後
※フリガナ→ふりがなに変更しました。
レコードの書式を変更する
必要に応じて、書式を変更します。
例えば、「1980/1/1」を「1980年1月1日」といった形です。私はできるだけ短い形式で表示したいので、生年月日、入社日等の日付は、このままで行きます。
折角なので今回は、年齢の書式を変更します。
セルの書式設定の使い方については、近いうちに別の記事で紹介したいと思います。
テーブルを作成する
データの入力が完了したら、テーブルにします。テーブルにする手順は以下の通りです。
- Step1セルを選択する
テーブルにしたい個所のセルを選択します。項目、レコードが入力済みのB2~Q3の範囲であればどこでもよいです。
- Step2テーブルを選択
①挿入タブ>②テーブルの順に選択します。
- Step3テーブル範囲を決定
以下のような確認メッセージが表示されるのでOKを選択します。
- Step4テーブル名を変更
以下のようにテーブルが作成(テーブル化)されます。
テーブルデザインのテーブル名の名前を以下のように変更します。
※名前の付け方は何でもいいですが、TBL○○といった名前にするのがおすすめです。1つのエクセルに複数のテーブルを使う場合、わかりやすくなります。 - Step5完了
レコード(新しいデータ)を追加する
次は、新しいデータを追加してみます。
テーブル最終行の一つ下のセル(この場合は、B4セル)を選択し、「2」と入力し、エンターキーを押します。
背景色が白色で拡張されているため少しわかりにくいですが、「2.レコード追加後」のようにテーブルが拡張されたのがわかるかと思います。年齢の列を確認すると自動で計算式が入力されているのがわかります。
続けてC4~M4までデータを入力します。
職員氏名、ふりがなの項目も自動で計算式が反映されたかと思います。
建物の列幅が見えにくいときは、J列とK列の間をダブルクリックすると自動で列が反映されます。
実際に職員データなどがすでにある場合は、同じ項目毎にわけた後にコピーして貼り付けしてデータを増やしてみて下さい。紙データしかない場合は、実際に入力してみましょう。
ある程度データの数が多いほうが、今回は30人分のデータを作成してみました。
※上記は、解説のために作成したデータであり実在するデータではありません。
まとめ
この記事では、テーブルの作成方法についてご紹介しました。実際に実務で使う項目を使って解説しましたので、参考になれば幸いです。
次は、このテーブルの名前を使った範囲指定方法についてご紹介します。
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