「新しいパソコンを買ったから、WordとExcelを入れなきゃ」 そう思ってAmazonやYahoo!ショッピングで検索すると、不思議な光景を目にしませんか?
公式ストアでは3万円以上するはずのOfficeが、なぜか2,000円〜3,000円、時には数百円で売られているのです。
「これって偽物? それとも公式が安売りしてるの?」
「レビューを見ると『使えました』って書いてあるし、買ってもいいのかな?」
結論から言うと、これらは「公式のルール違反をして販売されている商品」である可能性が非常に高いです。
今回は、激安Officeの理由と、手を出すとどうなるのかについて初心者の方にも分かりやすく解説します。
なぜそんなに安いの? 激安の裏にある「2つの理由」
結論から言うと、これらは正規のルートで販売されているものではありません。
大きく分けて、以下の2つのパターンのどちらかである可能性が高いです。
理由①:「海賊版(違法コピー)」の可能性
1つ目は、プログラムやライセンスを不正に改造した「海賊版」です。 本来はお金を払って認証キーを入手しないと動かないソフトを、無理やり動くように改造して販売しています。
これは明確な犯罪(違法)です。 さらに怖いのが、この改造プログラムの中に「ウイルス」や「スパイウェア」が仕込まれているケースがあります。
「安くOfficeが買えた!」と喜んでいたら、裏でクレジットカード番号やパスワードが盗まれていた…なんてことになりかねません。
理由②:海外版の「切り売り」転売
2つ目は、「海外企業の『ボリュームライセンス』を勝手に切り売りしている」ケースです。実はこちらの方が数は多く、見分けるのは困難です。
世界には、日本よりも物価が安く、Officeが非常に安価で販売されている国があります。 業者は、そういった海外の企業向けに安く売られたライセンスを大量に入手し、それをバラバラにして日本の個人に転売しているのです。
「海外で買った水を日本で売るようなものでしょ? 何が悪いの?」と思うかもしれません。法律的には完全に違法ではないようですが、マイクロソフトの利用規約違反になります。
ボリュームライセンスとは、企業や学校が、「社員1,000人全員でOfficeを使いたい!」という時に使う契約です。1本ずつ箱を買うと大変なので、「1つの認証キー(マスターキー)で、1,000台のパソコンに入れてOKですよ」という特別な契約を結びます。
激安業者は、この「1,000台使えるマスターキー」の権利を勝手に1人ずつに販売しているような状態です。いわば、「会社の食堂の安い食券を、勝手に外部の人に転売している」のと同じこと。当然、利用規約違反になります。
激安Officeを買うとどうなるの?
「仕組みは分かったけど、使えれば何でもいいよ」 そう思う方もいるかもしれませんが、このタイプの商品には致命的なデメリットがあります。
ある日突然、使えなくなる
これが最大のリスクです。
購入した海外企業が、マイクロソフトとの契約を解約したり、企業が倒産したりすることもあります。
そうなると、昨日まで使えていたのに、「ライセンス認証されていません」と表示され、Microsoft Officeが急に使えなくなる可能性があります。
販売業者に文句を言おうとしても、ショップ自体が消えていたり、連絡しても返事が来ないことがあります。
どうすればいい? 賢いOfficeの選び方
「じゃあ、やっぱり高いお金を出して買うしかないの?」
安心してください。Microsoft Officeの正規品より安く済ませる方法をいくつかご紹介します。
- Microsoft 365
- WPS Offfice
- Office Online(無料版)
- Googleの無料ツール
- Mac標準アプリ
それぞれについて少し詳しく解説しますね。
1. Microsoft 365(旧Office)
主に仕事で使う人、大学生、就活生におすすめです。
取引先とファイルのやり取りをしたり、複雑な計算レイアウトを行うなど高機能なソフトが必要な場合は、Microsoft 365がおすすめになります。
いわゆる「純正のOffice」です。現在は「Microsoft 365 Personal」というサブスクリプション(月額・年額制)が主流で、常に最新機能が使えます。1TBのクラウド保存容量もついてくるので、データをバックアップしたい人にも最適です。
Amazonで3万円台で売られている商品との違いは、買い切り方か定額制かの違いになります。
壱私は定額制を利用しており、定額制の方がおすすめです。
2. WPS Office(キングソフトなど)
仕事で使う人、家でOfficeを使いたい人におすすめです。具体的には、仕事でOfficeを使うけど、
- 正規品は高すぎて買えない。
- クラウド型は使いづらい。
- 買い切りのソフトが欲しい。
といった方におすすめです
Microsoft Office(Word, Excel, PowerPoint)と非常に高い互換性を持つ、キングソフト社が開発したオフィススイートです。低価格で高機能、マルチデバイス対応(PC/スマホ/タブレット)が特徴です。一部の商品には、PDFの編集が可能なものもあります。
操作性や表示形式がMicrosoft Officeとあまり変わらず違和感なく使うことができます。
3. Office Online(Web版 Office)
たまにWordやExcelファイルの中身を確認したい人、簡単な修正だけしたい人におすすめです。
マイクロソフトが公式に無料で提供しているWebブラウザ版です。インストール不要で、ネットに繋げば使えます。機能は制限されていますが、純正品のため、他社製ソフトよりも表示崩れが少ないのが強みです。
「送られてきたファイルを見たいだけ」なら、これで十分です。
4. Googleの無料ツール(ドキュメント・スプレッドシート)
PTA役員、町内会、学生、家庭用などで使う人におすすめです。
- 複数人で同時に編集したい
- スマホでも見たい
- 保存忘れを防ぎたい
といった方にもおすすめです。
Googleアカウントがあれば誰でも無料で使えます。最大の特徴は「共有のしやすさ」と「自動保存」です。
URLを送るだけでみんなで編集でき、入力した瞬間に保存されます。 WordやExcel形式への変換もできますが、レイアウトは崩れることがあります。
5. Mac標準アプリ(Pages・Numbers・Keynote)
iPhoneやMacを使っている人におすすめです。
MacやiPhoneに最初から入っている無料アプリです。直感的に操作できて、デザインがおしゃれな資料が簡単に作れます。 ただし、Windowsを使っている人にWordやExcelで渡すと、レイアウトが盛大に崩れることが多いです。
「Macユーザー同士でやり取りする」や「PDFにして印刷して配る」という場合に力を発揮します。
まとめ
最後にこの記事で伝えたいことをまとめます。
- 激安Officeの正体は、「海賊版」か「海外ライセンスの不正転売」
- 「ウイルス感染」や「突然使えなくなる」ことがあるので買わないほうが無難
- 他のOfficeソフトを検討する!
他のOfficeソフト一覧
| ツール名 | おすすめな人 | コスト | 互換性 |
| Microsoft 365 | 仕事・大学で使う人 | 有料(サブスク) | ◎(完璧) |
| WPS Office | ネットに繋がず安く済ませたい人 | 安い(買い切り) | △(ズレる) |
| Office Online | とりあえず中身を見たい人 | 無料 | ◯(公式) |
| Googleツール | PTA・家庭用・共有したい人 | 無料 | △(変換時ズレる) |
| Mac標準アプリ | デザイン重視のMacユーザー | 無料 | △(独自形式) |



以前は、正規品のMicrosoft Officeじゃないと仕事で使えませんでしたが、他のOfficeソフトも高機能で互換性も高くなってきたので、仕事でも十分使えます。
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